『傴僂男ゴト』

　ビデオで『傴僂男ゴト』という映画を観ました。ゴトは傴僂男で街中の笑いもの。そんな彼の心のよりどころは、幼なじみの美しい女性イルサだけ。でも、彼女は不治の病で入院していて、ゴトの必死の看病にもかかわらず、ぽっくり逝ってしまいます。悲しみに暮れるゴトは、イルサの遺体を病院から盗み出すと、人工生命を研究する教授を訪ね、イルサを生き返らせてくれと頼むのですが……。
　いかにもＢ級ホラーっぽい感じですが、気味悪い洞窟とか、怪しげな実験とか、グロテスクな怪物とか、私の好きなモノが盛り沢山だったので面白かったです。とりわけショッキングだったのは、洞窟に運び込まれたイルサの遺体に大量のネズミがたかってるシーン。それを見たゴトは遺体を守るためにネズミに火をつけるんですけど、どうみても本物のネズミを燃やしてるんですよね。画的には圧巻ですが、ネズミが可哀相でした。
　主人公のゴトを演じるのは、スペインの怪奇映画俳優ポール・ナッシー。よく知りませんけど、本国では人気があるんでしょうかね。狼男役で有名だそうです。ゴトは真面目で誠実な人間という設定なのに、人の首をナタでぶち斬るし、怪物のエサにするために人間をさらうのも手慣れてるし、なによりケンカが異様に強い！　傴僂のこぶのカーブを利用して人を投げるという、黒帯級の技の持ち主です。そしてなぜか美人にモテモテ。最高にイカした奴です。

ハイド・アンド・シーク／暗闇のかくれんぼ

　試写状をいただいたので、『ハイド・アンド・シーク／暗闇のかくれんぼ』を観て参りました。天才子役ダコタ・ファニングちゃんの主演映画は初めて観ましたが、演技すごく良かったですよ。映画の内容の方は、ちょっぴり退屈感があってアレなんですけど、彼女の演技だけでも観る価値アリ。ダコタちゃんの目があまりにも大きくて、今にも眼玉がこぼれ落ちそうなので、それにばかり気をとられてしまいました。

隣人13号

　映画『隣人13号』を観ました。ジャンル的には、サイコ・ホラーって言うんでしょうか？　小学校時代、いじめにあった青年が、いじめっ子に復讐するというお話で、主人公の普段の姿を小栗旬、狂暴な別人格「13号」を中村獅童が演じてます。
　井上三太先生の原作は読んでないんですが、映画自体はまあまあ面白かったです。主演の小栗旬君が妻夫木君だったら、もっと感情移入できたのですが……もしくは、もっと痩せてて弱そうなキモメンがよかったなあ。小栗旬も素敵だったけど！！！！
　色々と残酷シーンもありましたが、もっとも衝撃的だったのは中村獅童演じる隣人13号の俯瞰ショットです。頭頂部がかなり薄め！　しっかり地肌が見えてました。事前に仕入れた情報によると、この映画は多重人格モノとのことだったので、獅童の顔がちゃんと見えるまで、てっきり中年親父の人格が現れているものだと思ってしまいました。
　他に印象に残ったところと言えば、パフィーの由美ちゃんの元ヤンぶり。演技とは思えない迫力に、劇場でこっそりチビりました。

中学生時代の思い出『ジャンク／死と惨劇』

　大田区の中学校で先生が生徒に映画『バトルロワイヤル』をみせた事が問題になっているそうですね。R15なのに、13歳の生徒に見せたとか言って。
　わたしも中学生の頃、理科の時間にいきなり先生が『ジャンク／死と惨劇』（各国で上映禁止になったという、世界残酷映像集みたいなドキュメンタリー映画）の上映はじめてびびりまくった覚えがあります。生きた猿の頭を、金持ち家族がトンカチで愉快そうにガンガン叩き割って、出てきた脳味噌をおいしく味わうみたいな、気持ち悪い映像が延々つづくんですよ。「なぜ授業でコレ…？」と、その場にいた生徒全員が疑問に思ったんですけども、まあ、なんとなく理科っぽいしってことで特に問題にならなかったです。イイ時代だなあ。
　それに比べたら『バトルロワイヤル』、ちゃんとストーリーあるし、かっこいい俳優もたくさんでるし、面白く見られていいじゃないですか。生徒の希望で上映されたって話だし、問題ナシ。


ジャンク DVD-BOX

オルドリッチ・リプスキーBOX

　チェコ娯楽映画の巨匠、オルドリッチ・リプスキーの３本組ＤＶＤボックスのうち２本、『カルパテ城の謎』『アデラ／ニック・カーター、プラハの対決』を観ました。こういう、ゆるーいバカギャグを連発しながら愉快に人が死んでいくみたいな映画、私は大好きですね。ヤン・シュヴァンクマイエルがデザインしたメカは変カッコイイし、チェコ・アニメ好きにもおすすめ。アデラのヒロインはちょっとあやや似でかわいいかも！

チェコ怪奇骨董幻想箱 vol.2 リプスキーBOX